例会概要
今回は名古屋言友会とのZoomによる合同例会でした
期日:2024年 9月15日(日) 13:30~16:30
会場:オンライン(Zoom利用)
参加者:16名(うち茨城言友会より2名参加)
内容:名古屋言友会 講演会
『私の就活体験談~障害者枠での就労編~』を聞く
体験談 『私の就活体験談~障害者枠での就労編~』
概要(名古屋言友会Webサイトより引用)
今年の4月から障害者枠で大学病院の事務員として働き始めました。
就活中は就労移行支援事業所に2年間通い、自身の障害について理解を深めたり、ソーシャルスキルトレーニングや企業実習などに取り組んでいました。
今回は、私が就労移行支援事業所で受けていた支援の内容や、一般枠と障害者枠での就職活動の違いについてお話しします。
体験発表
発表者について
- 前職を鬱で退職後、就労移行支援事業所に2年(2年の利用期間内に2事業所に通所)通所後、2024年より就職。 現在は大学病院の事務員として入職(パートタイマー)。
現在は医療事務の資格取得と嘱託職員へのステップアップを目標としている。 - 配慮としては一人で黙々とできる作業のみ担当。業務量は多くなく忙しさはない。 電話応対はしていない。
1~2か月に1度、人事面談あり。
就労移行支援事業所では何をしているの?
就労移行支援のプログラム
- 個別訓練(事務・作業系)
- 集団プログラム
- 電話応対トレーニング・面接訓練
- 企業実習
- 就職活動 etc…
個別訓練の時間にやること
- 自己理解を深める(障害理解など)
- 事務系訓練(アンケート入力・タイピング練習・Microsoft Office訓練)
- 作業刑訓練(ピッキング・ラッピング・仕分け)
就労移行利用中に意識していた事
就職(ゴール)から逆算して計画を立てる
- 自己理解を深める
- 体調を安定させる
- 面接対策は念入りに行う
- 事務スキルをアピールできるようにする
事務職を志望した理由
- フルタイムで働けて待遇が良い求人が多い
- 名古屋の中心地(名駅・栄エリアなど)での募集が多い
- 長時間座ってPC作業するのが苦ではない
- ExcelやWordのスキル習得がうまく出来た
- 肉体労働ではなく、エアコンがある室内で働きたい
- 自分から人に声をかけるのが苦手
企業実習(雇用前実習)
職場体験として特例子会社(大企業の障害者枠を満たすために作られた企業)や社会福祉法人、放課後デイサービス等で実習を行った。
障害者枠での就活
- 自身の障害と配慮事項についてまとめたシート(プロフィールシート)を作成する
- 書類選考が通ったら企業実習に参加する
- 支援員動向で面接に参加する
応募書類に加えて作成するプロフィールシート
- 特性
- 配慮事項
- 通院頻度
- 薬の副作用
についてまとめたものを企業に提出(書式は複数あり)
面接で聞かれる事
- 自分自身の障害について
- 配慮事項はあるか
- 現在の体調はどうか
- ストレス悪化のサインや対処法はあるか
- 困ったときに相談できる人はいるか
企業が重視している事
- 自己理解が出来ているか(障害についての受容)
- 体調が安定しているか
- 体調が悪くなった時に自分から相談できるか
- 支援員がついているか
就職活動を成功させるコツ
1.できることに目を向ける
- できることは疲れずにできる事
※他の人より上手にできる事ではない
※できるけど疲れることは長くは続かない - 苦手なことは無理に克服しなくてもよい
- できないことは配慮してもらい、できることで貢献すればよい
2.あきらめる
- 想像力の弱さ、人生経験の少なさから自身の客観視が苦手
体調が安定していないのにフルタイム希望
憧れだけで向いていないことに挑戦したくなる(IT・福祉etc…) - 諦めるとは「明らかにすること」
自分のキャパシティ、向き不向き、自分に合った働き方
目標を持つことは大事だが、自分が無理なくできることの延長線上に設定
3.自己理解と面接対策を早く進める
- 企業は自己理解が出来ている障害者を求める
- 自己理解できているかどうか
応募書類の内容や面接の受け答えで確認される - 応募する直前からではなく、就職活動を始めるあたりから開始する
就労移行支援で重視すること
- 訓練内容(身に着けたいスキルを学べるか)
- 就職実績
- 支援方針やスタッフとの相性
複数の事業所を体験して比較することが大切
指定就労移行支援事業所一覧を見よう
各市町村のWebサイトから閲覧可能
就労移行支援を選ぶ際の参考にしてみよう。
- 指定年月日
- 事業所の特徴
- 前年度実績(就職者数)
質疑・感想等
- 障害者枠での就労はAIによる自動化の導入で厳しいものになるのでは?
障害者の仕事はこれからAIによる合理化によって一層減る、という意味では障害者にとって冬の時代が来る。
AIの出力結果のチェック役の仕事くらいしか残らないのでは? - 企業はあくまでも「営利を追求する組織」である以上は、特例子会社で見られる業務の切り出し(紙折りやシュレッダー作業等の単純作業の下請け)等はAIの進歩やRPA(定型業務の自動化)による更なる自動化が進んでいくと今後減っていくのではないか。
- 今後も障害者は更なる技術(IT系統)を持たないと企業側に雇われない時代は来るだろうし、必然的にWord/Excel/powerPointを教えるだけの就労移行は淘汰されるのでは?
(それでも障害者は雇われないのであるが…) - 企業が法定雇用率(年2.5%)を満たすために障害者を雇用するのではない社会になればなぁ…。
- 国内でも労働人口が減っていく中で、障害者も採用する流れになるのでは。
法定雇用率を上げることのもその一環では。 - 就職活動において求められるのは、今求められていることに対して「どのようにして」対応するかを考える方向と「認識力と理解力」の高さが求められる。
- 自己理解、自分自身と向き合うことの大切さ。
多様性の社会などが謳われている…とはいえ、日本の中ではそんな風潮はほんの一部であり、障害者が働くには困難は多い。 - 病院の窓口では「暗証番号を忘れるレベル」のAI処理「以前」の対応問題が現実としてあり、全部AIにとって代わる時代は遠い。
次回 24年10月度例会のおしらせ
概要
日時:2024年10月20日(日) 13:30~16:00
会場:未定
(決定次第、各媒体で告知します)
言友会関東ブロック大会2024のおしらせ
期日:2024年10月13日(日)10:00~16:45
会場:千葉中央ツインビル2号館9階
住所:千葉県千葉市中央区中央2丁目5−1
(JR千葉駅から徒歩11分、京成千葉駅から徒歩9分)
詳細は千葉言友会Webサイトにて